訪問介護の仕事でありがちな問題

利用者さんの家に出向く訪問介護は、仕事のボーダーラインが曖昧になってしまいがちです。というのも、利用者さんが介護プランの内容を把握できておらず、プラン以外の事を要求される事がよくあるからです。

例えば「植木に水をやって欲しい」「窓を拭いて欲しい」「庭の手入れをして欲しい」と言われるケースはとても多いです。また、中には「一緒に踊ろう」など、一緒に楽しもうとする利用者さんもおられるようです。それらについては、その都度説明してお断りしましょう。

中にはそのような要求を答えてしまう業者さんもありますが、介護プランは介護保険法の範囲で立てられるものであるため、法律に反する事になってしまいます。それだけでなく、必要以上にサービスをしてしまうと、利用者さんにとってそれが当たり前になってしまい、他の業者さんにも迷惑をかける事になります。

しかし、中にはどうしても難しい問題があるのも事実です。それは医療機器に関する問題です。利用者さんの中には、酸素吸入器に関する事を要求するケースがあるそうです。酸素吸入器は、酸素ボンベを取り付けるだけではなく、精製水をタンクに補充しなければなりません。もし精製水を補充しないで使用を続けていると、乾いた酸素を常に吸う事になるので体中の水分が不足していきます。

放っておくと当然ながら利用者さんは喉が渇いてしまいます。一時的に口から水分補給をしたとしても、落ち着く事はないでしょう。タンクに精製水を入れるのは簡単な作業なので、「ちょっと水入れといて」と言われたらやってしまいがちです。

しかし、それは大変危険な行為です。万が一、うっかり水道水を補充したり、精製水だと思った液体が違うものであった場合、すべて責任が自分に振りかかってきます。医療行為は介護士が手を出していい分野ではありません。自分の身を守るためにも、心を鬼にしてお断りしましょう。そして事情をケアマネージャーに訴え、状況を変えていくことが大切です。